日本の水道水は、世界でもとても安全だといわれています。蛇口をひねれば、すぐにそのまま飲める国は、実はあまり多くないのです。
その安全を守っているのが、「塩素」という薬です。
水道水は川やダムなどの自然の水から作られますが、そのままだと、ばい菌やウイルスが入っていて、飲むと体に悪いこともあります。そこで、浄水場で「塩素」を使って、ばい菌を殺菌しているのです。
また、水道のパイプは長い距離を通って、みんなの家まで水を運びます。その途中でばい菌が入ってきても殺菌できるように、また増えないように、少しだけ塩素を残しておくようになっています。これを「残留塩素(ざんりゅうえんそ)」といいます。
でも、この塩素は、体にまったく影響がないわけではありません。
■ 残留塩素による影響とは?
水道に使われている塩素の主な成分は「次亜塩素酸ナトリウム(じあえんそさんナトリウム)」といって、プールのようなにおいの元にもなっています。
とても強い力でばい菌を殺菌するのですが、それによって次のようなことが起こることもあります
肌・髪への影響
塩素は、肌や髪のタンパク質にダメージをあたえることがあります。
とくに肌が弱い人や、小さい子どもは、肌がピリピリしたり、かさついたりすることもあります。

食材の風味への影響
炊飯や煮物に塩素を含んだ水を使うと、わずかに塩素特有の苦味やにおいが移り、味の雑味となるケースもあります。

栄養素の損失
ビタミンCやビタミンBなどの大事な栄養が、水道水で洗うと10~30%もなくなってしまうことが明らかになっています。
たとえば、お米をとぐときや、野菜をゆでるときなどです。

■ 塩素は体に悪いの?

水道に入っている塩素の量は、国が決めたルールできちんと管理されているので、ふつうに使っている分には体に悪いことはないとされています。
でも、塩素が有機物と反応して生成される「トリハロメタン」という副生成物は、体によくないといわれていて、長い間たくさん飲むと、がんのリスクがあるという話もあります。
もちろんこれも、定期的な水質検査と厳格な基準値の設定によって管理されているので、ふつうに飲んだり使ったりするぶんには心配いりません。
■ 塩素を減らすにはどうすればいい?
塩素は水を安全にするために大切なものですが、においや肌への刺激が気になる人は、こんな方法で塩素を減らすことができます。
ぜひ、参考にしてください。
水をしばらく置いておく
容器などに水を汲み、蓋をせずに数時間置くことで塩素が抜けていきます。
水を沸騰させる
水道水を一度煮沸させ、10〜15分ほどに煮立たせることで、塩素を蒸発させ、また水道水に含まれる「トリハロメタン」という有害物質を除去できます。
もし白湯を飲む場合には、この作業を行ってから冷まして飲むのがおすすめです。ただし時間とエネルギーがかかります。
家庭用浄水器を使う
キッチンの蛇口につけるタイプの浄水器を使うと、塩素などを取りのぞけます。
ただし、カートリッジをとりかえる手間が必要です。
家全体に使える浄水システムを使う
「セントラル浄水器」という製品を使うと、家の外にフィルターをつけて、家中の水をいっぺんに浄水にすることができます。
キッチンだけでなく、お風呂や洗濯の水もやさしい水になります。
水の安全性と快適性のバランスを考えることが、これからの水との付き合い方といえるでしょう。
さいごに

水道水の安全を守る塩素は、なくてはならない大切なものです。でも、味やにおいが気になったり、肌がピリピリしたりすることもあります。
そんなときは、塩素を減らすちょっとした工夫をしてみると、もっと気持ちよく、水を使うことができるかもしれません。
安全とここちよさのバランスを考えて、自分に合った水の使い方を選んでみましょう。

本メディア「水と暮らしの研究部-WATER CLUB-」を運営するアクアス総研では、
・水のプロフェッショナルに任せられる浄水サービスを提供
・創業1990年、セントラル浄水器のパイオニア
・人と地球にやさしいエコサイクルの実施
など、セントラル浄水器を用いたオール浄水システム・アクアス5でお力添えさせていただきます。水道水にお悩みの方のために、詳しい資料も無料でご用意しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。