浄水器を使い始めたら、水道水からアレもコレも除去してもらいたいって思っていませんか?
実は、除去しないほうがいい成分もあるんです。
代表的なものは「ミネラル成分」。
人体に必要なミネラル
私たちが生きていくために必要不可欠な「ミネラル成分」。からだの正常な機能を維持するために必要な栄養素の一つなのです。
ミネラルは、体内で生成することができないため、食品や水などから摂取する必要があるのですが、この大切なミネラル成分が、じつは水道水にも含まれれているんです。
ミネラルウォーターじゃなくても、水道水にもミネラル成分は含まれているんです。
ご存知でしたか?
水道水に含まれるミネラル成分
地域や水源によって異なることがありますが、一般的には以下のようなミネラル成分が水道水に含まれています。
- カルシウム__人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯を強くするために必要な成分です。カルシウム含有量が多いと硬水になります。
- マグネシウム_リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ成分です。マグネシウム含有量が多いと硬水になります。マグネシウムとカルシウムは相互に協力して働きます。
- ナトリウム__体内の水分バランスを調整するために必要なミネラル成分です。
- カリウム___細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。 また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。
- 鉄______赤血球の生成や免疫力を高めるために必要なミネラル成分です。不足すると貧血を起こします。
- 亜鉛_____亜鉛は全身の細胞に存在し、免疫システムが侵入してきた細菌やウイルスを防御するのに役立ちます。
(水道水に含まれるミネラル成分は、水源地に含有しているミネラルと関係してきますが、浄水処理や配水管などの影響を受けるため、水源地のミネラル含有量と異なる場合があります。)
水の「おいしさ」と「まずさ」の関係
水は無色透明で一般的には味がしないといわれています。
ただ、そんなことはありませんよね。水道水からも味を感じませんか。
では、どうして味を感じるのでしょうか?
これも、ミネラルが関係してくるようです。
水にミネラル成分が含まれると、一般的には硬水と呼ばれ、柔らかい水よりもやや味が強く感じられることがあります。ただし、ミネラル成分が含まれる量や種類によって、味の感じ方は異なります。
たとえば、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が程よく含まれた水は、口当たりがスムーズで飲みやすく感じられることがあります。硬度120mg未満が軟水とされ日本人にはなじみの味です。
逆に、ミネラル成分が多すぎる場合は、苦味や金属的な味がすることがあり、好みが分かれることもあります。これがいわゆる硬水と呼ばれ、カルシウムやマグネシウムの含有量でWHO(世界保健機関)が定める基準では硬度120mg以上とされています。
水の味については個人差があり、ミネラル成分が多い水を好む人もいれば、柔らかい水を好む人もいます。
なお、水の美味しさはミネラル成分だけに依存するわけではありません。水の味には、温度、水源や浄水処理の方法、保存方法など、さまざまな要因が関わっています。
これらを知っておくと、自宅でもおいしく水道水を飲むことができますね。
自宅で飲もう!まるでミネラルウォーター
先ほどお伝えしたように、水道水はミネラル成分によって水の味が変わります。
そして、もう一つ大切なことは、浄水処理の方法でも水の味に影響が出てしまうということです。
水道水は、浄水場の浄水処理の工程で殺菌のための塩素が入れられています。この塩素が効力を残したまま水道水の中に存在しているもののことを「残留塩素」といいます。
残留塩素は、水道管を通って家庭に届けられる際に残っています。だから、自宅で蛇口をひねって出てくる水道水は塩素の異味や異臭が残っているのです。
一般的に、残留塩素は人体に害を及ぼすことはありません。ただし、長期間にわたって残留塩素が摂取される場合は、皮膚のかゆみやかぶれ、眼の痛み、消化器系のトラブルなど、健康被害の心配があるといわれています。また、残留塩素と有機物質が反応して生成されるトリハロメタンという物質は、発がん性があるとされており、長期的な健康被害につながる可能性もあります。
そこで、役に立つ製品が「浄水器」ということですね!
浄水器でできることは、
- 残留塩素の異味、異臭を除去
- ミネラル成分はそのままに!
- 健康的に、より安全に!
などが挙げられます。
浄水器ではミネラル成分は除去しませんので、ミネラルが含まれたミネラルウォーターのような水を自宅の蛇口から使いたいなら、浄水器が何より役に立ちます。
浄水器はおすすめです!
余談ではありますが、ミネラル成分も除去できる軟水器という製品もあります。この製品の利点は、硬度成分を除去することで、水垢や石鹸垢が付着しにくくなり、浴槽やシャワーヘッドのメンテナンスが簡単になります。
浄水器の種類によって、除去できる物質や浄水量が異なるため、自分のニーズに合った浄水器を選ぶことが重要です。また、浄水器を使用しても完全に除去できない物質もありますので、適切なメンテナンスを行い、安心して使用することが必要です。
(参考資料)
厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書』/谷腰欣司(著)『トコトンやさしい水の本』
(参考 Webサイト )
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト