ほっほっホ~タル来いっ♪
夏の風物詩、ホタル(蛍)。鑑賞時期は4月~8月頃。地域によって違いますが、日本のどこかでホタルの見ごろを迎えているはず。
夕闇を舞うホタルたちの幻想的な姿は、まさに感動モノの美しさですよね!
小さい頃は家の中にホタルが入ってきて、部屋の電気を消してホタルを追いかけたなんてことも… さすがにここ群馬県でも、今ではわざわざ見に行かないと見られなくなってしまいました…
ホタルってどんな生き物なの?
ホタルは甲虫に分類されるので、クワガタやカブトムシと同じ。
ホタルの幼虫はカワニナという小さな巻貝を食べて成長します。カワニナは、きれいな川が流れる里山の水辺に生息します。
里山という環境から「ホタル=日本のふるさと」的なイメージが定着しているのかもしれませんね。
しかし、この里山も農薬や小川のコンクリート化、乾田、自然の減少等でそのカワニナも減ってきてしまい、ホタルも前ほど見られなくなってきてしまいました。
最近では、ホタルが生息できる環境を取り戻そう、ホタル・カワニナを育てるという動きも多くみられるようになりました。 またホタルが身近に見られる環境になるといいですね。
ホタルの種類
日本には約50種近くのホタルが生息しているようですが、よく見られるホタルは「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」です。
「源氏(ゲンジ)」と「平家(ヘイケ)」なんて、イキだなネーミングです。
ゲンジボタルは、日本最大のホタルで、体長は12~18mmもあります。ゲンジボタルの特長は背面前胸にある十字型「+」の模様。
ヘイケボタルは、体長7~10mmほど。少し小さめです。特長は背面前胸にある直線系「-」の模様です。
どちらのホタルも、人間とは違いメスの方がオスよりも大きいです。ただ、小さなオスの方が、発行器が二つあり大きいためメスよりも光ります。
メスは葉っぱの上にとまって光を放ち、オスは飛びながら光ります。私たちがよく目にするのはオスの方なのですね!
どうしてひかるの?
光の点滅によってホタル同士でコミュニケーションをとり、仲間に自分の居場所を知らせています。
ホタルのお尻に近い部分に発行器があるのですが、その中には「ルシフェリン」という発光する物質と、発光するのを助ける「ルシフェラーゼ」という酵素があります。この2つの物質と体の中の酸素が反応して光を出します。
ホタルによって「ルシフェラーゼ」は異なり、黄色緑色や黄色、オレンジ色などさまざまな色で発光します。
お尻部分が光っているのですから、その光は電球のように熱くないのか疑問ですよね。実は「ルシフェラーゼ」は体内で作り出されるもので、化学反応を効率よく進めるためのタンパク質なので、熱くなることはありません。
ホタルは、卵、幼虫、さなぎ、成虫と一生を通して光ります。卵のときでもうっすらと光を放っています。
また、ひかり方には「プロポーズのための光」「刺激されたときの光」「敵を驚かせるための光」の3種類あるといわれています。
人が近付くとふわっと飛び立ち光を放つのは、刺激されて発光されているようです。
地域によって光り方には違いがある
ホタルは息している地域で光り方が違います。
西日本では『1・2ピカッ!』
中間の長野県あたりでは『1・2・3ピカッ!』
東日本では『1・2・3・4ピカッ!』
という感じで光るというのですから、驚きです!なぜこのような発光周期になるのかはまだ解明されていないようです。おもしろいですよね。
さいごに
ホタルは、きれいな水に生息します。
ゴミや洗剤などで汚れた川では生きることができません。
また、空気が汚いところも夜露が汚れて、ホタルが飲めなくなるので生きることができません。
ホタルの住みたい川にするためにも、まずは小さな一歩を踏み出してみませんか。
この記事が水と環境について考えるきっかけになれば幸いです。
(参考文献/参考資料)
環境省重要生態系監視地域モニタリング推進事業『ホタル類』
(参考Webサイト)
朝倉川育水フォーラム/キャノンサイエンスラボ/ウェザーニュースホタル情報