もし、海で遭難したら・・・
食べ物もない、飲み物もない、、、こんな状態になったら、脱水症状を起こして死んでしまいます。そんな時には思わず海水に手が伸びてしまいそうです。
でも、海水を飲んじゃダメってよく聞くし…
「海水を飲んではいけない」という話をよく聞くわりに理由を聞かれたら答えられないなと思ったので調べてみました!
海水を飲むと・・・
まわり一面を見渡せば、大海原が広がり、水はいくらでもあります。カラカラに乾いた喉が水を欲しています。
その水を飲んでしまえばよさそうですが、、、
残念ながら、海水は飲んではいけません。
その理由は・・・
人間のカラダの仕組みによるもので、海水を飲んでしまうと一気に大量の塩分が体内に摂取され、体内のナトリウム濃度が上昇してしまいます。そして、ナトリウム濃度が上昇すると、体内のホメオスタシスが働いて脳から「喉がかわいたよ~」と伝達されます。
※ホメオスタシス…いわゆる恒常性。生物などの内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のこと。
しかし、喉がかわいたからといって水があるわけではないため、また海水を飲んじゃうんですね。ますます水分を求めるようになった結果、脱水症状がさらに進行し、死を早めてしまうのです。
お~こわ!って感じです。
この負のスパイラルは大変危険です!!
海水を飲めば飲むほどナトリウム濃度が上昇してしまいます。
これが、海水を飲んではいけない理由です。
体内における「塩」の役割とは?
「塩分の取り過ぎには注意してください」なんて言われることありませんか?
体の中で塩はどんな働きをしているのでしょう。
私たちは食事を通して塩を取り入れています。食事によって体のなかに入った塩は水に溶けてナトリウムイオンと塩素イオンという形になります。
そして、生体のホメオスタシスによって細胞内外の水とミネラルのバランスを整えたり、筋肉を収縮させたり、神経への情報をスムーズに伝えたりしています。とっても大切な働きをしているんですね。
だから、適切な量の塩は体内に摂取しないといけないんです。
かといって、取り過ぎたら病気になったり死んでしまうことも。
いったいどのくらい塩分をとっていいの?って思いませんか。
一日の塩分摂取量
厚生労働省『日本人の食事摂取基準2015年版』の中で、一日のナトリウム(食塩相当量)の目標値を、18歳以上の男性で8.0グラム未満、女性は7.0グラム未満と公表しています。
世界的に見ると、WHO(世界保健機関)では5.0グラム未満を推奨していますので、日本人の塩分摂取量は諸外国と比べて多いことがわかりますね。
日本の朝食をみても、焼き魚や味噌汁、梅干しにお漬物などが多いですよね。(ちなみに私はパン党です(笑))
アメリカではシリアル、アイスランドではオートミール、オランダでは無塩バターにチョコスプリンクルのせなど、塩分は控えめなようです。
日本ほど塩分が多い朝食は稀のようです。
塩による致死量
なんでもかんでも塩や醤油をかけてしまう私には目をそむけたくなる情報ですが……
塩による致死量は、体重1キログラムあたり約3グラム~3.5グラムといわれています。
体重60キログラムの人だと180~210グラムです。
醤油の塩分濃度は濃口で16~17パーセントもあります。醤油1リットルの中には約160~180グラムの塩分が含まれているというのですから、大変危険なことがわかります。
海水約3.5パーセント
濃口醤油約16パーセント 約5倍!
海水を飲むより、醤油を飲む方がよっぽど危険ですね!
水を使って減塩する方法
水も塩も私たちが生きていく上で必要不可欠であり、大切な存在。でも、摂取しすぎてはダメな理由はお分かりいただけたと思います。
そこで、おすすめなのが「水塩(みずしお)」!!
一般的におにぎり1個に使用する塩は0.6グラム程度が適量といわれています。スプレーボトルに入れた水塩を使えば、なんとおにぎり1個に対して8プッシュ(0.2グラム)程度でおいしいおにぎりが作れちゃいます。
塩分を3分の1に抑えることができるのです。
水塩は、おにぎりだけじゃなく、唐揚げやサラダなどいろいろな料理にも活用できるので、おいしく減塩するにはおすすめの方法です!
水塩の作り方
※日持ちは?・・・諸説ありますが、水塩には賞味期限がないといわれていますが、冷蔵庫に入れてご使用はお早めに!
まとめ
海水浴にいって、思いがけず口に入ってくる海の水。しょっぱいですよね。口の中がカラカラしてくるし…干からびてくる感じがナメクジを思い出しちゃいます(^-^;
とにかく、海水は飲んじゃダメ!
万一、海で遭難してしまったら、雨水を飲んでくださいね(ってそんなことがあっちゃ困りますけど!!)
水も塩も、私たちの体にはとても大切な存在。
この関係をしっかり理解した上で、水も塩も適量を摂取して健康的な毎日を過ごしましょう。
(参考文献・資料)
谷腰欣司/著書 『トコトンやさしい 水の本』
平成25年年版国民健康栄養調査
国立循環器病研究センター
(参考Webサイト)
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
All About『高ナトリウム血症とは……塩水・醤油の死亡リスク』/職人醤油