地球温暖化がすすみ、南極や北極の氷が溶けている・・・
そんな話を聞いたことがあるかもしれません。
もし、南極大陸の氷が全部溶けてしまったら。
どうなってしまうのでしょう。
この記事では、南極のこと、また今後起こりうる変化について解説します。
そもそも南極って?
南極とは、地球上の一番南にある地域のこと。
地球上の南極点を中心とする南極大陸およびその周辺にある小島や棚氷、海域を含む地域を指します。そして、南極点を中心に南緯66度33分までの地域については南極圏と呼ばれています。
南極は、日本の富士山よりも1,000m以上も高いところにあり、極寒極まりない地域です。このように気象条件や領有権主張が認められていないため永住者はいません。住むことができない地域なのですね。
核実験を含む軍事利用も禁止されています。
しかし、気象観測や生物、地質・地形の研究をするため世界30ヵ国以上もの国々が南極に観測基地を設置しているので、数千人の調査員が現地で研究活動をしています。
日本の観測基地「昭和基地」は日本からおよそ14,000km以上も離れた場所にあります。
日本の観測基地は4ヵ所ありますが、現在昭和基地以外は、無人観測基地及び内陸への中継点となっていたり、滞在を中止していたり、閉鎖しています。
南極の氷の下はどうなっている?
南極の氷の下には、南極大陸という陸地があります。
この陸地の上を、とてつもなく厚い氷で覆っているのです。その氷の厚さは平均約2,450mほどあり、一番厚いところで4,000mもあるのです。
富士山の標高は3,776mですから、南極は富士山よりも厚い氷で覆われているということになりますね。
南極の気候
地球上でもっとも寒いとされる地域です。
南極は標高が高く分厚い氷で覆われているため、内陸部の気温が下がりやすくなっています。だから、大陸がない北極よりも寒いのです。
年間降水量は、砂漠と同じくらい少なく200mm以下で寒い上に乾燥しています。
海岸から離れた内陸部の年平均気温はマイナス50度前後しかありません。南極大陸では1983年7月に気温マイナス89.2度が観測されたこともあり、地球上で記録された最低気温となっています。
南極の生き物
南極の生き物といえば
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飛ばない鳥、ペンギン!
と、思い浮かべた方も多いのでは?
イメージ通り、南極にはペンギン、そしてクジラやシャチ、アザラシ、オットセイなどが生息しています。
なかでも、ペンギンは南半球にしか生息していません。南極に生息しているペンギンは数種類おり、総数は3,000万羽以上いるようです。
主なペンギンの種類は、
- コウテイペンギン
- アデリーペンギン
- ヒゲペンギン
- ジェンツーペンギン
です。このほかにも、マカロニペンギン、オウサマペンギン、イワトビペンギンが生息しています。
中でも南極で子どもを産み、育てるのは「コウテイペンギン」と「アデリーペンギン」だけです。
南極と北極の違い
南極は地軸(地球の自転の中心軸)の南側に位置し、逆に北極は地軸の北側に位置します。
【南極】
- 地軸の南側
- 氷の下には大陸がある
- 氷の厚さは最大で4,000mくらい
- 最低気温マイナス89.2度、北極より寒い
- 北極が夏のとき、冬になる
- 太陽・月は、上を向いて時計回りに動く
- ペンギンが生息している
【北極】
- 地軸の北側
- 氷の下は海。海に浮かぶ氷
- 氷の厚さは最大で10mくらい
- 最低気温マイナス71度、南極の方が寒い
- 南極が夏のとき、冬になる
- 太陽・月は、上を向いて反時計回りに動く
- ホッキョクグマが生息している
このように、南極と北極には、最低気温や生息動物、太陽や月の動きなどさまざまな違いがありますが、オーロラは南極周辺と北極周辺に同時に出現します。太陽風が地球のまわりに入り、同じような時間に同じような形で同時に光るようです。
地球温暖化によってもたらされる変化
さて、そろそろ本題に入ります。
もし、南極大陸の氷が全部溶けてしまったら。
どうなってしまうのでしょう。
地球上の氷の90%が南極大陸にある
南極の氷は、じつに地球上にある氷の90%を占めます。他9%の氷はグリーンランドに。
南極の氷の量は、なんと26.92×106km3。
計算するもの大変なくらいの量です。
そして、上でも説明したように氷の厚さは一番厚いところで4,000m、平均で2,450mもあるのです。
この凄まじい量の氷が溶けるといったい・・・
南極の氷が溶けると・・・
この南極の氷が溶けるということは、、、
南極は大陸があるので、陸上の氷が溶けるとそれが海に流れ込み、海水面の上昇を引き起こします。溶けた氷で、現在より海面が40~70m上昇すると考えられている…と。
そして、氷が溶けたことにより、氷の重さで沈み込んでいた大陸が浮き上がるのだとか。
想像しただけでも恐ろしいです…
2002年5月、南極にある大きな大きなラーセン棚氷が崩落したのも、地球温暖化による影響だといわれています。
一方、北極の氷がすべて溶けたとしても、海水面は上昇しません。それは、北極の氷は浮力によって海水に浮かんでいるだけで、氷が溶けても元の水位に戻るだけ。そのため海水面の上昇にはつながらないのです。
地球全体の生態系が崩壊する
と、ここまで説明してきましたが、じつは南極の氷は溶けていないようです。
現時点でも南極の気温の上昇によって降雨が見られますが、気温が低いため地表近くでは雪に変わるので、じつはまだ大きな氷は溶けていないというのです。
しかし、温室効果ガスの増大により南極沖の海洋温度の上昇が続くと、南極でも雪ではなく雨の降る量が増え、雪や氷が急速に溶け出すようになる、といわれており研究が進んでいるようです。
現に、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、2019年に気候変動が海や寒冷地をこれまでにない規模で脅かしていると発表しており、現在の海面上昇の主要因はグリーンランドや南極大陸の氷が溶け出していることだと指摘しています。
南極や北極の氷が溶ける問題は、海水面が高くなるという単純な問題ではおさまりません。
南極や北極の海洋は、地球上の海流の大元になっています。つまり、氷が溶けると、この海流にも大きな影響を及ぼし、魚介類や海藻類はもちろん、地球全体の生態系にとんでなく大きな影響を与えることが懸念されているのです。
人間が引き起こした地球温暖化の結果・・・
人間は長い年月をかけて地球温暖化を引き起こしてきました。もちろん、現在も進行中です。
このように、人間が起こした地球温暖化により、地球上の動植物などの生態系に影響を与え、まわりまわって人間にもマイナスの影響を及ぼしているのです。
生態系だけではありません。
地球全体の命が危ないといっても過言ではありません。
まとめ
南極の氷が溶けてしまったらどうなるのか、について解説しましたがいかがでしょうか。
最近では地球温暖化の影響に関するニュースを目にしない日はありません。そのくらい、深刻な状況なのだと思います。
地球を、そして生態系を守るためにも「今できることからコツコツ取り組んでいれば、将来を変えることができる」と信じて、まずは自分ができることから実践していきたいと思います。
この機会に地球温暖化について考え、まずは小さな一歩から、、、地球を守る行動をとってみてはいかがでしょうか。
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(参考文献/参考資料)
環境省『日本の南極観測』/十勝毎日新聞『南極を切り撮る』
(参考Webサイト)
環境省/東海大学木村研究室/大阪エコライフ気球温暖化対策地域協議会/BBCNEWS『「青い地球が危機に」 国連報告書が気候変動を警告』/情報・システム研究機構 国立極地研究所『日本の観測基地』