私たちが毎日使っている水道水には、塩素が入っている!
って、ご存知の方、多いですよね。
塩素というキーワードは良く耳にしますが、何のことだかご存知でしょうか?目に見えるものではないので、イメージしにくいですよね。
ウィキペディア(Wikipedia) では、
塩素(えんそ、英: chlorine)は原子番号17の元素。元素記号はCl。原子量は35.45。ハロゲン元素のひとつ。一般に「塩素」という場合は、塩素の単体である塩素分子(Cl2、二塩素、塩素ガス)を示すことが多い。ここでも合わせて述べる。塩素分子は常温常圧では特有の臭いを持つ黄緑色の気体で、腐食性と強い毒を持つ。
と記されています。塩素を説明するとこんな感じですが、余計わからなくなった方がいるかもしれませんね!
プールを想像してみてください。
プールに行くと、鼻につく「ツンっ」として臭いを感じると思いますが、この臭いの原因は消毒剤の塩素によるものです。不特定多数のさまざまな人が利用するのですから、殺菌作用の強い塩素を使って消毒するというのは、よくわかります。
そして、この塩素が水道水にも入っているのです。
なぜ、水道水に塩素が使われるの?
ではなぜ、私たちが毎日口に入れるような水道水にも、強い殺菌効果がある塩素が使われるのでしょうか。
第一前提として、水道法により『水の消毒は塩素によることを基本とする』 と定められている、ということです。
その理由は、水道水を衛生上の安全を保ったまま、浄水場から遠く離れた地域 (浄水場から一番遠い家庭までの距離は相当長いです) まで供給しなければいけないために、消毒作用のある塩素が使われているのです。 これにより万一配管が亀裂した場合でも病原菌からの汚染を防いでくれます。
水道水の残留塩素は時間の経過とともに減少します。そのため、浄水場で適切な濃度の塩素を注入していますが、浄水場付近では残留塩素濃度が高くなってしまうこともあるようです。
ちなみにうちの塩素濃度は、0.6mg/Lほど。
浄水場からまあ近いから、塩素濃度が高い方なのかな・・・。
浄水場で使われる塩素って、ハイターと同じ!?
そして浄水場で使われる塩素についてもう少しだけ詳しく言うと、浄水場では塩素系殺菌剤のひとつである次亜塩素酸ナトリウムが主に使用されています。
次亜塩素酸ナトリウムとは、家庭でも使われるハイター類のアレと同じです。塩素系の漂白剤や殺菌剤で使われる・・・アレです。 キッチン〇〇ターでおなじみなのでイメージ湧きやすいですよね!
(あっ、うちで使っている製品はキッチン〇〇ターじゃなくて、キッチンブリー〇でした!安い方のやつです(笑))
次亜塩素酸ナトリウムは、酸性では極めて急激に分解反応を起こし塩素ガスを発生するため大変危険ではありますが、取り扱いに注意すれば、安価で手に入りやすく、大量の水道水を瞬時に消毒するには適していると言えそうですね。
ところで、残留塩素っていうもの聞くけど・・・何?
先ほどから水道水に含まれるのは「塩素」とお伝えしていますが、私たちが普段口にする水道水の塩素は、「残留塩素」と呼ばれます。残留塩素とは、殺菌や分解してもなお水中に残っている塩素のことを指します。この残留塩素も殺菌作用を持っています。
私たちが口にしたり触れたりする水道水 。
役目を終えた塩素であっても、殺菌・漂白作用が残っているということです。
ただ、 WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインによると、塩素のガイドライン値は5mg/Lとされています。このガイドライン値は、生涯にわたり水を飲んでも人の健康に影響が生じない濃度を表しているので、水道水に塩素が入っていても基本的には問題はないとされています。
だけど、、、
「役目を終えた塩素は、くさいしまずいし、消毒剤は体に取り入れたくない!」という方、たくさんいるのも事実です。その方たちのために浄水器は存在しているのですね!
そもそも浄水器は、この残留塩素の除去を目的として作られた製品。浄水器のカタログなどには残留塩素という言葉が記載されていると思いますので、機会があったら見てみてください。
カルキと塩素は同じもの?
ところで、カルキと塩素は同じだと思っていませんか?
鏡のウロコ跡の汚れ「カルキ」。
水道水に入っている「カルキ」。
水道水に入っている「塩素」。
これらは混同しやすいですよね?
以外に同じものだと思っている方も多いようです。
浴室の鏡につくウロコ状の跡のことを「カルキ跡」や「カルキ汚れ」と呼ばれることが多いですが、ここでいう「カルキ」はカルシウムのことを指します。
ウロコ状の跡は、水が蒸発した後に残るカルシウムであり、塩素ではありません。
だから、浄水器でウロコ状の跡を取ることはできません。
カルシウムは汚れとしては邪魔ものですが、体に必要不可欠なものなので、そもそも浄水器では取らない方がいいものですが。。。
では、水道水にも「カルキ」が入っていると聞きますが、この「カルキ」はカルシウムのことでしょうか?
それは違います!
水道水に入っている「カルキ」は塩素のことを指しています。
だから、「浄水器でカルキ抜き!」というフレーズで使われているカルキは塩素のことで「浄水器で塩素抜き!」ということです。
では、なぜカルキと呼ばれるのでしょう?
理由は、昔、水道水を消毒する際に「次亜塩素酸カルシウム=ドイツ語Chlorkalk(クロールカルキ)」が使われていたことが原因のようです。
次亜塩素酸カルシウムは、消石灰に塩素を吸収させた固形の消毒剤。これも塩素ではありません。
そしての水道水には、ほとんど次亜塩素酸カルシウムは使われていません。
恐らく現在でもカルキと呼ばれるのは、クロールカルキの「カルキ」が名残として定着してしまったのでしょう。
現在、多くの浄水場では「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒しています。
そしてこの次亜塩素酸ナトリウムがいわゆる「塩素」なのです!
お分かりいただけましたでしょうか。
塩素を入れる、最大のメリット!
なんといっても、水道水の消毒でしょう。
これ以外にありません。
- 水道水の消毒
- 管理がしやすく安価で手に入りやすい
です。
大量の水道水を消毒するために、必要なものです。
手に入りやすいというのも、実はとても大切。
水道水を安定的に安全に供給する必要があるため、希少性のあるものや高価なものは取り扱うことが困難です。
強い殺菌力を持つ塩素は、病原菌をやっつけてくれるので、安心して水道水を使うことができます。
塩素を入れることによる、デメリット!
安全のために効果を発揮してくれる塩素ですが、デメリットもあります。それは、水道水に残る臭いや味。あの独特な臭いや味の一番の原因は塩素によるものです。
そのまま飲むにも、調理するにも、臭いや味が邪魔をします。また、水道水で野菜や米を洗うと、塩素が原因でビタミン類(B1,B2,C)が10~30%も損失してしまうことも明らかになっています。
もう一つ、肌や髪の毛への影響が考えられます。塩素の強い酸化力は、タンパク質でできた私たちの肌や髪のキューティクルも同時に酸化させてしまいます。
そして、漂白作用をもつ塩素なので、衣類へのダメージも気になります。
まとめると、
- 独特な臭いや味
- 肌や髪の毛への影響
- 衣類へのダメージ
があげられます。
余談ですが、 浄水場での塩素消毒の際水中の有機物と反応して生成されるトリハロメタンは、発がん性があるかもしれない物質として勧告されているようです。
最後に
長年水にたずさわるスタッフから見た、塩素についてのお話でした。
水道水に塩素がなければ、私たちは安心して水道水を飲むことも使うこともできません。塩素消毒を使う日本の浄水技術はとても素晴らしいものなのですが、消毒の役目を終えた塩素は、「口にするとき、触れるとき」には、ないに越したことはありませんね。
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評判のセントラル浄水器をお探しの方や、セントラル浄水器を比較検討されている方に、本記事が少しでも貢献できましたら幸いです。
(参考資料)
東京都水道局Webサイト『残留塩素の低減化について』
平成 19 年度厚生労働省受託『水道用薬品等基準に関する調査』
佐世保市水道局『水道水に入っている「カルキ」って何?』