最近話題にあがる、有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)は浄水器で除去できるのか?

水道水について関心を持つ方が増えていますね。美味しさのため、健康のため、美容のため、理由はさまざまだと思います。

そんな中、有機フッ素化合物であるPFOS(ピーフォス)・PFOA(ピーフォア)について報道されることがあり、最近よく耳にします。

「浄水器でPFOS・PFOAが除去できるのか」、気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、PFOS・PFOAについて解説していきます。

まずは、PFOS・PFOAを知ろう!

PFOS はペルフルオロオクタンスルホン酸の略称でピーフォスと呼ばれています。PFOA はペルフルオロオクタン酸の略称でピーフォアと呼ばれています。

いずれも有機フッ素化合物の一種です。

※有機フッ素化合物のことをPFASあるいはPFCsとも呼びますが、同じような字面でまぎわらしいのでこのページでは有機フッ素化合物と呼びます。

有機フッ素化合物は、撥水性、撥油性、熱・化学的安定性などの特性を持つため、世界中で幅広い用途で使われてきました。

具体的には、PFOS は、泡消火薬剤、半導体、金属メッキ、半導体、液晶ディスプレイ、写真フィルム、フライパンなどに。PFOA は、主に泡消火薬剤、繊維、医療、電子基板、自動車、食品の包み紙、石材、フローリング、皮革、防護服などに。

しかし、最近の研究により、有機フッ素化合物は環境中はもちろん、生物に取り込まれると体内に蓄積しやすいことから、環境や人体に有害性を持つことが明らかになってきたのです。

この有機フッ素化合物は水や油をはじく性質を持ち、耐熱性や化学的な安定性が高いため自然界でほとんど分解されません。この性質から、有機フッ素化合物はしばしば「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれているほどです。

製造・製品への使用は禁止

現在では、有機フッ素化合物は、有害性や蓄積性などが明らかとなり、発がん性など健康への影響が懸念されることから、国内外で製造・使用・輸入が規制されています。

とりわけ、炭素数が8のPFOSは、日本では化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の改正(2010年4月1日施行)により、第一種特定化学物質に指定され、製造・製品への使用は禁止されています。

PFOAに関しても、2021年「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、第一種特定化学物質として指定されています。

今では厳しく管理されている上、製造・製品への使用は禁止されているので、安心ではあるのですが、過去に工場から排水などと一緒に放出された有機フッ素化合物は長く環境中に残るため、今後も影響が懸念されています。

水道水には、どんな改正が?

水道水に関しては厚生労働省の通知により、水質基準に関する省令の一部改正が行われました。

2020年3月30日、PFOSおよびPFOAの水質管理目標設定項目の暫定目標値がPFOSとPFOAの合計で50 ng/Lと設定され、同様に、環境省の通知によれば、水環境における要監視項目の指標値も50 ng/Lと設定されました。

こちらをご覧ください。

これは、PFOSとPFOAも、今まで以上に厳しく管理していこう!というものです。

アメリカの環境保護庁(EPA)は2022年6月15日に、飲料水中の有機フッ素化合物の基準を従来の1リットルあたり70ナノグラムから、0.004~0.02ナノグラムという約3000倍厳しい基準に引き上げることを発表しました。これにより、飲料水中の有機フッ素化合物濃度をより厳しく管理することが目指されています。

日本では、そこまで厳しく管理していませんが、このデータが示すように、諸外国よりも目標値はかなり厳しく設定されています。

水道水の今

先ほどお伝えしたように、水道水に関してもPFOSおよびPFOAは厳しく管理されるようになりましたが、不安の声があがっているようです。

理由は、東京都などの井戸水から有機フッ素化合物が検出され、健康被害のリスクが問題視されているからです。

東京の井戸水の汚染源は明確ではありませんが、米軍横田基地内で長期間にわたり大量の土壌汚染が発生したことが、有機フッ素化合物を含む泡消火剤との関連で疑われています。同様の高濃度の汚染が神奈川県や沖縄県内の米軍基地内や周辺でも見つかっているようです(あくまで推測による)。

そして、この問題は、井戸水を使用していなくても、水道水にも影響が及ぶ可能性があります。東京都多摩地域の水道水は、地下水から取水される割合が全体の1〜2割程度であり、残りの配水量は河川水が使用されています。したがって、地下水の汚染が水道水に影響を及ぼす可能性があるといえるのです。

これらの事実から、東京都や周辺地域では監視や対策を行っているようです。

東京都水道局では「水質管理を徹底し国の水質基準等を遵守していますので、安心して水道水をお飲みいただけます」と通知して、対策を万全にしています。

また、PFOSおよびPFOAについて、「2020年4月に国が水道水に関する暫定目標値(50ng/L)を設定する以前から、一部の水源井戸からの取水を停止するなど、先んじて対策を行っています」と説明。「定期的に給水栓(蛇口)で測定しており、すべて国が定める暫定目標値を充分下回っています」との見解を示しています。

PFOS・PFOAの有効的な除去方法

『「飲料水中の PFOS 及び PFOA」WHO 飲料水水で質ガイドライン作成のための背景文書』には、有機フッ素化合物除去手段の有効な方法が記載されています。また同様に、PFOA・PFOS 等有機フッ素化合物の実態調査を行った大阪市や、有機フッ素化合物問題を主導する米国環境保護庁、環境ワーキンググループのEWGでも除去手段として同じような見解を示してます。

(一部抜粋します。)

活性炭(有効な方法)

粒状活性炭または粉末活性炭は、その多孔質な構造によって大きな表面積を持ち、汚染物質を吸着する能力があります。特にPFOAやPFOSに対しては効果的な吸着剤といえます。

『「飲料水中の PFOS 及び PFOA」WHO 飲料水水で質ガイドライン作成のための背景文書』より
活性炭は、粒状(直径 1~2mm)(GAC)または粉末状(直径<0.1mm)(PAC)のいずれかで使用することができる。従来のマイクロ汚染物質除去のための大部分の用途において浄水処理の初期段階で PAC を水中に注入し凝集、沈殿、ろ過により除去する。

『PFOA・PFOS 等有機フッ素化合物の淀川水系での実態及び浄水処理性』より
浄水処理においては粒状活性炭(GAC)吸着池が除去能力を有していることを明らかにした 。
各処理過程の PFCs の除去性については、オゾン、砂ろ過ではまったく除去されておらず、GAC 吸着槽でのみ 90%近く除去されていた。

『Report by EWG』より
Current options for drinking water treatment technologies to remove PFAS include granular activated carbon, ion exchange and reverse osmosis. Of these, granular activated carbon, or GAC, is the most common, with many water treatment facilities already using it to remove other contaminants.
現在、PFASを除去するための飲料水処理技術の選択肢には、粒状活性炭(GAC)、イオン交換、逆浸透が含まれます。これらの中で、粒状活性炭(GAC)が最も一般的であり、多くの水処理施設が既に他の汚染物質を除去するために使用しています。

イオン交換樹脂(有効な方法)

『「飲料水中の PFOS 及び PFOA」WHO 飲料水水で質ガイドライン作成のための背景文書』より
イオン交換樹脂は、荷電PFAS種の除去に有効であることが示されている。飲料水源に見られる大部分のPFAS種は、浄水処理におけるpHで負に帯電している(Croneら、2018年)。その結果、ほとんどの研究が陰イオン交換樹脂の応用を検討してきた。しかしながら、正に荷電したPFASが存在する場合、これらは陰イオン交換樹脂によってあまり除去されず陽イオン交換樹脂による特異的除去が必要である。

『Report by EWG』より
Reverse osmosis is the most effective technology, but it is also the most expensive. Ion exchange is a newer technology for PFAS removal, with a limited number of current installations.
逆浸透は最も効果的な技術ですが、同時に最も高価です。イオン交換はPFAS除去のための比較的新しい技術であり、現在の設置数には限りがあります。

これらからもわかるように、粒状活性炭や粉状活性炭、またイオン交換樹脂は、原水からのPFOS 及び PFOAを含めた有機フッ素化合物の除去に有効的であるといえるでしょう。

浄水器でPFOS・PFOAが除去できるのか

粒状活性炭や粉状活性炭、またイオン交換樹脂を採用している浄水器、また逆浸透膜(RO)浄水器は、PFOS・PFOAを除去するための有効な手段です。

ただ、浄水器メーカーは家庭用品品質表示法に則った記載が義務付けられており、PFOS・PFOAについては、家庭用品品質表示法の除去対象物質ではなく、性能試験方法が確立されていないため、測定することができないのが現状です。そのため、浄水器メーカーに問い合わせしても「家庭用品質表示法の浄水器の性能試験の対象外のため試験をしておらず知見もございません」などと回答されることがあります。

このように現時点ではJIS規格での試験方法は確立していないのですが、心配の声が高まっていることから、浄水器協会(JWPA)で定められた規格基準の試験方法で検査し、PFOS ・PFOAの除去の有無を公表しているメーカーも増えてきています

水と暮らしの研究部を運営しているアクアス総研の「オール浄水システム・アクアス5」も、浄水器協会で定められた試験方法で検査した結果が公開されています。もちろん、アクアス5でPFOS・PFOAは除去できますので、ご安心ください。

公開データはこちら⇒アクアス5「有機フッ素化合物(PFOSおよびPFOA) 除去性能試験結果」のお知らせ

このことからも、粒状活性炭や粉状活性炭、イオン交換樹脂を採用している浄水器、また逆浸透膜(RO)浄水器で有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFOS、PFOAの除去ができるのは間違いなさそうです。

評判のセントラル浄水器をお探しの方や、セントラル浄水器を比較検討されている方に、本記事が少しでも貢献できましたら幸いです。

(参考文献/参考資料)
環境省『PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き』『PFOS 及び PFOA に関する検討について』『ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)について』『PFOS、PFOA に係る国際動向』『PFOS、PFOA 以外の PFAS に係る国際動向』
厚生労働省『水道水質管理の最近の動向について』『「飲料水中の PFOS 及び PFOA」WHO 飲料水水質ガイドライン作成のための背景文書』『令和4年度第2回水質基準逐次改正検討会議事録 』
大阪市水道局『有機フッ素化合物の淀川水系における動向と浄水処理過程における挙動』
国立保健医療科学院『全国の浄水場における有機フッ素化合物の存在実態と活性炭処理による除去性の評価』『粉末活性炭による残留性有機フッ素化合物類の吸着除去特性および影響要因の検討』

(参考Webサイト)
経済産業省/化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令 , 神奈川県水道局/有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)について , NHK/「PFAS」とは?世界の規制状況・健康への影響は? , 日テレニュース/多摩650人の半数からリスク高い数値上回るPFAS検出 専門家「長い問題になる」, EWG,米国環境保護庁

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