■ 秋の乾燥、原因は“空気”だけじゃない?
11月を過ぎると、肌のつっぱりやかゆみ、髪のパサつきが気になる季節になります。
「暖房のせいかな」「湿度が低いから仕方ない」と思いがちですが、実は“水の質”も乾燥トラブルの一因であることをご存じでしょうか。
日本の水道水は、世界でも有数の安全性を誇ります。
その安全を守っているのが「塩素(次亜塩素酸ナトリウム)」です。細菌の繁殖を防ぎ、家庭まで安全な水を届けるために欠かせない成分。
だけど、この塩素は“皮膚や髪に触れるとき”に、少し気をつけたい存在でもあります。
塩素が肌に与える影響 ― バリア機能を弱めるメカニズム

私たちの肌は、角層の「バリア機能」で外的刺激や乾燥から体を守っています。
角層の中には、皮脂や天然保湿因子(NMF)、さらに角質内のたんぱく質などがあり、これらが肌表面をやわらかく保ち、水分の蒸発を防ぐ役割を果たしています。
ところが、塩素には酸化作用があります。
塩素は菌を殺菌する一方で、角層の皮脂やNMF、そしてたんぱく質も酸化させることがあり、バリア機能を少しずつ弱める可能性があります。
皮膚科学の研究でも、塩素濃度の高い水で繰り返し洗浄すると、皮膚の水分量が減少し、乾燥や刺激を感じやすくなる傾向が報告されています。
特に秋や冬はもともと皮脂分泌が少ないため、塩素による刺激が乾燥を加速させるのです。
そのため、「お風呂上がりに肌がつっぱる」「手がカサつく」といった症状は、実はお湯の塩素濃度が関係している場合も考えられるのですね。
髪のキューティクルも塩素でダメージを受ける?
髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質です。私たちの髪の表面にはキューティクルと呼ばれるうろこ状の層があり、髪の内部の水分を守っています。
ところが、水道水に含まれる塩素には酸化作用があり、ケラチンとわずかに反応することがあります。この影響で、キューティクルの結びつきが弱まり、部分的に「浮き上がる(開く)」状態になることがあります。
キューティクルが開くと、髪の水分が逃げやすくなり、手触りがごわついたり、乾燥やパサつきの原因になることも。特に秋冬など乾燥しやすい季節は、塩素の影響が気になる方もいらっしゃいます。
美容研究の分野でも、プールの塩素濃度が髪に与える影響はよく知られていますが、実は家庭の水道水でも、長期間の蓄積ダメージとして同様の作用が少なからず起こり得るのです。
お風呂やシャワーの水を意識することは、実は「スキンケア」だけでなく「ヘアケア」にも関わっているのです。
毎日の“当たり前”が肌と髪に影響している

私たちは毎日、手洗い・洗顔・入浴・シャンプーなどで肌や髪を水にさらしています。
つまり、“水の性質”は、スキンケアやヘアケアと同じくらい大切な要素だと言えるのではないでしょうか。
もちろん、水道水を使うこと自体に問題はありません。日本の水は世界トップレベルの安全基準を満たしています。
ただ、「塩素による酸化」は長期間の積み重ねで小さな差となって表れるもの。
日常的に「やさしい水」に触れる習慣をつくることで、肌や髪のコンディションが変わる方も少なくありません。
■ 手軽にできる“塩素との上手なつき合い方”
では、塩素の刺激を減らすために、どんな工夫ができるでしょうか。専門家の立場から、おすすめの方法を3つ紹介します。

① お風呂のお湯は「ため置き」しない
湯船のお湯は、時間がたつほど自然に塩素が抜けていきます。
また、一人目が入浴すると、皮膚表面の汗や皮脂などと塩素が反応し、塩素のほとんどが消費されます。そのため、二人目以降が感じる塩素の刺激は、かなり少なくなるといわれています。
ただし、「一人目が塩素を引き受ける」ような入り方は、だれかに負担がかかってしまうため、現実的な対策とは言いにくい面もあります。
また、ため置きしたお湯は、においなどが気になることもあるため、できれば“入る時間をあけすぎない”か、“毎回きれいなお湯を張る”ほうが、家族みんなが快適に過ごせます。
② シャワーヘッドの交換で塩素を除去
「できるだけ刺激を避けたい」という方は、
塩素除去機能のあるシャワーヘッドに交換するのもひとつの方法です。
- 肌が敏感な方
- 髪のパサつきが気になる方
- 小さなお子さまがいるご家庭
では、とくに実感しやすい対策です。
市販の「塩素除去シャワーヘッド」や「ビタミンCフィルター」などは、化学反応で塩素を中和します。短期的に試す方法としては有効です。
③ “家中の水”をまとめて浄水する
「お風呂だけでなく、キッチンも洗面所も…」
と考えると、部分的な対策では物足りないと感じるケースもあります。
そんな方には、住まいの元栓でまとめて浄水する“オール浄水”のしくみがもっとも確実な方法です。
お風呂も、料理も、洗面も、洗濯も、家中どこでも“やさしい浄水”に。
塩素による乾燥感が気になる方や、毎日の水をもっと安心して使いたい方に適しています。
■ 水を意識することは、自分と家族にやさしさをプラス

乾燥や髪のパサつき対策といえば、保湿剤やトリートメントを思い浮かべる方も多いでしょう。
でも、その“前段階”にあるのが「水」です。
どんな水に触れているかを意識することで、実は肌や髪のコンディションが大きく変わることもあるのです。
毎日使う水だからこそ、少し目を向けるだけで、暮らしの快適さがぐっと変わります。
「整う水」で、秋の肌と髪をやさしく整えていきたいですね。
「水の質を見直したい方はこちら」
→ 家中の水をまるごと浄水にするしくみ
(参考資料)
「Association between domestic water hardness, chlorine and skin barrier dysfunction」 Journal of Dermatological Science, 2016/「Free Residual Chlorine in Bathing Water Reduces Stratum Corneum Hydration」 Wiley Online Library, 2003/「Hair-discoloration of Japanese elite swimmers」 PubMed, 2000/日本毛髪科学協会「毛髪と水質の関係」/花王株式会社「HAIR CARE」
🔗 関連リンク

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