浄水器を知らない人はいない。
だけど、浄水器をちゃんと理解している人は少ない。
かもしれません。
あなたの家には?
今や浄水器はスーパーや百円均一でも売られています。いわばコモディティ製品といってもいいかもしれません。
「うちにもついてるよ!」
なんて声が聞こえてきそうです。
というのも、 約40%もの方が浄水器を使っているというではありませんか!本当にたくさんの方が浄水器を使っています。(浄水器協会調べ)
でも、あなたが使っている浄水器、ひょっとしたら浄水器じゃないかもしれません。
浄水器とは
消費者庁では、浄水器を次のように定義しています。
飲用に供する水を得るためのものであって、水道水から残留塩素を除去する機能を有するものに限る。
つまり、水道水から塩素を除去するための製品ということ。
ここがポイントです!
「水道水に含まれている残留塩素を除去する」です。
あたりまえじゃん、なんて思わないでください。
形はともあれ、あなたは残留塩素を除去しない製品を使っているかもしれません。どういうことかというと・・・
一番あるあるが、活水器です。
活水器は、磁石などにより水に何らかのエネルギーを与える、といわれている装置です。
もう少し詳しくお話すると、活水器には、法律や業界による明確な定義はなく、以下のようなタイプがあるのが特徴です。
- 磁場の中に水を通すもの。
- 水に遠赤外線を照射するもの。
- 各種セラミックや鉱石をろ過材等とし、これに水を通すもの。
- 設置場所は蛇口タイプのものから、屋外設置のものまで。
代表的なうたい文句は、
- 水のクラスターが小さくなり、水がまろやかでおいしくなる。
です。一見、科学的な根拠に基づくかのような効果・性能をうたっていますが、根拠はありません。今のところ、液体状態での水のクラスターの大きさを測定する手段は確立されていません。
また活水器は、水道水から残留塩素を除去しません。もちろん有害物質も除去しません。設置場所も浄水器と混同されがちですが、以上のことから活水器は浄水器ではありません。
あなたのお家で使っているソレは、「浄水器」ですか?「活水器」ですか?
浄活水器って?
「うちで使っている製品は、塩素も除去するって書いてあるよ!」
おっしゃる通り、水道水の残留塩素を除去する活水器もあります。その製品を浄活水器と呼びます。活水器の中には、浄活水器などとして浄水器としての機能が備わっているものもあります。
塩素除去機能がついているので活水器に(浄)がつくのでしょう。
活水器ではメンテナンスフリーといって、永久的にメンテナンスをしなくても大丈夫とうたっていることもありますが、塩素除去機能が付加されている場合は、必ず定期的にろ材を交換しなければなりません。もしお使いの場合は、ぜひご確認いただき、定期的なろ材交換をおすすめします。
ただ、「残留塩素を除去する」と表示している場合には、商品名が活水器であっても、家庭用品品質表示法の指定品目に該当し、JIS規格に基づく試験結果を表示する必要がありますので、注意が必要です。
ん?その「家庭用品品質表示法」ってなんだ?
こんな感じの、見たことありませんか?
カタログや商品の裏に記載されていることが多いです。この家庭用品品質表示法について解説します。
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家庭用品品質表示法とは、
消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律
であると、消費者庁で説明しています。
ようは、消費者が適切な判断ができるように、統一された表示方法を明記しなければいけないという法律です。日常的に使用する家庭用品には定められており、もちろん浄水器もそのうちのひとつです。
表記がバラバラだと、何を基準に比較していいのかわからないから、消費者にとってはとてもありがたい法律ですよね!
浄水器は、9項目の表示が義務付けられています。その項目は、
- 材料の種類
- ろ材の種類
- 使用可能な最小動水圧
- ろ過流量
- 浄水能力
- 回収率(ろ材の種類が逆浸透膜のものに限る)
- ろ材の取替時期の目安
- 使用上の注意
- 表示者名等の付記
です。
6番目の回収率は、ろ材の種類が逆浸透膜のものに限りますので、逆浸透膜機能がない浄水器は、全部で8項目の表示です。
あなたのおうちで使っているものが、「浄水器」で「逆浸透膜機能がついていない」ならば、8項目の表示がされているはずです。
また、上記の内容を示すためには、定められた試験方法で検査しなければいけません。 JIS規格の「家庭用浄水器試験方法 JIS S 3201」に基づいて測定した試験結果であることが決まっています。 もし浄水器によって試験方法が異なれば、得られる結果も異なってしまい、消費者はどこを見て比較すればいいのかわからなくなってしまいます。
ぜひ一度、この表示を確認してみてはいかがでしょうか。
浄水器についてのまとめ
浄水器の定義や、浄水器と活水器の違い、そして浄水器にまつわる家庭用品品質表示法について解説をしてまいりましたがいかがでしたか。これまで浄水器についてそこまで深く考えてこられなかった方も多いかもしれません。
浄水器は、水道水から残留塩素を取り除いて、その土地に流れる水本来のおいしさに戻すことができる製品です。
「水をおいしくしたい!」「いい水を使いたい!」と、取り付ける方が多い浄水器ですが、しっかりと理解した上でご自身にあった浄水器を選べたら、今以上に快適にお過ごしいただくこともできます。
製品の大小にかかわらず、また設置場所にかかわらず、浄水器であれば家庭用品品質表示法に基づく表示がされているはずなので、同条件で比較して、あなたも浄水器マスターに!
この機会にあなたにピッタリとあった浄水器を探してみてはいかがでしょうか。
評判のセントラル浄水器をお探しの方や、セントラル浄水器を比較検討されている方に、本記事が少しでも貢献できましたら幸いです。
(参考資料)
消費者庁『製品別品質表示の手引き』
東京都生活文化局 『活水器の表示に関する科学的視点からの検証について』
(参考Webサイト)
消費者庁/浄水器協会/米子市水道局